設計事例

大屋根の家


 

コンセプト

大屋根の家
この住宅は以前からスケッチをしながら、温めていたイメージを形にしたものである。先に「形ありき」であり、このイメージにあった土地を探し購入した。この地域は一年を通じて、日射しが強く、雨が多く、湿気が高く、さらに、桜島の降灰は避けて通れない。降灰対策として、軒の出を深くし、2階スラブをオーバーハングさせ、1階のコンクリート打放し仕上の外壁等が汚れるのを防ぐよう配慮した。また、この事は厳しい日射しから、外壁に使用している杉の劣化を防ぐことにもなる。屋根は、雨と灰の流れを考え金属板瓦棒葺きとし、方形の大屋根を採用した。 計画の段階では、樋を設けていなかったが、隣地との関係上、設けることとなった。1階の接地面積を少なくすることは、自然共生的には風の流れを促し、 室内への照返しを和らげ、なにより外部空間をより有効に利用できる。平面計画において、1階はバリアフリーとし、洗面所と便所は一室ととらえ、 扉を設けず老後の使い易さを優先させた。 室内と浴室の段差は、必要に応じてスノコ板を設けることで、解消できる。 将来、高齢者対応として、現在、ヌレ縁のある犬走りの空間を利用し、平屋を増築し、 1階が生活の場の中心となるよう計画した。この住宅は、従来、住まいの持っていた素材の温かさ、人を包み込むような空間、 人の心を和らげる親しみ易さ、さらには、自然との共存の回復を試みたものである。

 

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